「では、これからこの城を破壊させて頂きます」
「……なに?」
 セリオルは杖を構えていた。マナが練り上げられる。
魔法の力が起こす風に、セリオルの服と長い黒髪が揺れる。




「なにせ我々には、多くの幻獣がその力を貸してくれていますから」
「……今、何と言った?」


第110話