振り返ったサリナの目の前で、ヴァルファーレは岩壁に激突する寸前で急上昇した。
翼の猛烈な羽ばたきで生まれた強風が岩壁にぶつかり、飛礫がサリナに襲いかかった。
尖った石が肌を切り裂き、筋肉に食い込む。
痛みに、思わず叫んだ。膝から力が抜ける。 「サリナ!」
呼びかけながらセリオルたちはサリナに駆け寄った。



「風のリバレーターよ。お前の名は?」
「セリオル・ラックスターと申します。風の幻獣、ヴァルファーレよ。私と共に戦ってください」
「いいだろう。私はヴァルファーレ。風の幻獣、碧玉の座。
これより私は、セリオル、お前のクリスタルとなろう」
 ヴァルファーレの身体が翠緑色に輝き、膨らんだ光が収束してクリスタルとなった。
風のクリスタルはセリオルのリストレインに収まり、光が止む。






第14話