やがて彼らは1軒の店舗に到着した。
工業の街ロックウェルにあって、珍しい木造の建物。
入り口のそばに木製の看板が立っている。
看板には黄色い鳥の絵が描かれていた。大きく開かれた入り口の扉から、薄暗い店内が見える。
「おう、動物の匂い」
 獣使いらしく、カインが匂いに反応して鼻をひくひくさせた。
店の中からは鳥の甲高い鳴き声が聞こえてくる。




サリナはしゃがみ込み、自分を見つめるチョコボの頬に手を当てた。
軽く撫でてやると、チョコボは目を閉じて気持ち良さそうに
サリナの手のひらに頬を摺り寄せた。小さな声で啼く。
「サリナさんに懐いたのかな」
 マリーがサリナの横に同じようにしゃがみ、嬉しそうにそう言った。


第16話