懐かしさに顔を綻ばせて口を開きかけていたアルベルトは、
セリオルの力のこもったまなざしにそのまま口を閉ざした。
ひと息飲み込んで、アルベルトは再び口を開いた。

「ああ、申し訳ありません。いや、お懐かしい」
「ご無沙汰しています」







耐えかねて、クロイスは立ち上がって振り返った。
突然の大声にぽかんとしているサリナの顔が憎らしい。
その前にあるセリオルの笑みも、視界の隅に映るスピンフォワード兄弟の意地の悪いにやにやも腹立たしかった。

「そんなに言うなら貸してやるよ! 危なっかしくて見てられねえしよ、お前らなんか!」



第25話