「貴殿ら、この状況でどうしてそんなに、笑っていられるのだ?」
 アーネスは尋ねてみた。ある種の予測を持ちながら。
「あん?」
 カインとサリナは顔を見合わせた。ふたりはすぐに返事をした。









サリナ、カイン、アーネスの3人が落ちていった空洞を、3人はしばらく見つめていた。
「なんということだ……こんなところで、サリナ!」
 セリオルは両目を固く閉じ、絶望に打ちひしがれていた。
床についた両手は、何度もその石でできた床を殴った。
彼の両拳からは血が滲んだ。  クロイスはそんなセリオルを見かねた。
励ましになるとは思えなかったが、言葉を掛けずにはいられなかった。




第31話