「なあちょっと、マナストーンって何だよ」
「ん? ああ、マナストーンってのは、マナの力を内包した鉱石のことだよ。
俺が見つけた鉱石とか、飛空艇で使う風鳴石なんかも強力なマナストーンの一種だ」
「ほほう。カインナイトねカインナイト」
「うるさい。それ言うのちょっと恥ずかしいんだよ」
 かすかに赤面するフェリオに、クロイスはにやにや顔をやめなかった。







 その時、突如地響きと共に、背後の入り口が塞がれた。
床から分厚い金属製の扉がせり上がってきたらしい。
扉が石の天井にぶつかる大きな音。
 闇に閉ざされた部屋に、明かりが灯った。壁の燭台に火が入ったのだった。
リストレインをあの台座に置いた時、迷宮の入る階段を照らしたのと同じ琥珀色の炎だった。




第32話