「愚者よ見よ――」
 その呪文に、学院長は小さく、ほうと感嘆の声を漏らした。









「よろしくね、サリナ。私、カミーラ。カミーラ・アウリン」
 カミーラと名乗った女子生徒は、明るい調子でそう声を掛けてきた。親しみに満ちた声だった。









第35話