耳の奥に心臓があるようだった。
全身の血液が逆流するのを、サリナは感じた。
顔が熱い。そしてそれ以上に身体が熱していた。
まるで本物の炎を纏ったようだった。
 彼女は直感的に確信していた。この男の正体を。



第38話