そして瓦解した本庁舎から、全身に漆黒の鎧を纏った人物が現れた。
「なんだ……?」
 セリオルは目を凝らした。瓦礫の上でその人物は、ただ静かに、そこに立っていた。
 ぞくりとした悪寒が、セリオルの背を走った。両目が見開かれる。事態は最悪の局面を迎えた。






第39話