「……ああ。4年間、ずっと考えてたんだ。あの化け物が何物なのかってな。
俺の手で突き止めたいと思ってたけど、もうどうでもいい。
俺は、早くあいつの正体を知りたい――教えてくれ、セリオル」
 クロイスの声は切迫していた。
彼にとっては、喉から手が出るほど欲しかった答えだ。
セリオルは彼をじっと見つめている。
彼は待った、長身の黒魔導師が口を開くのを。




第60話