「……おい、ちょっと、いくらなんでもひどくね?」
 地面に降りたカインは、そう言ってセリオルを見つめた。
セリオルはその手にロープの端を握っている。
それはカインに向かって伸び、その身体にぐるぐるに巻きつけられていた。
「どうしてです?」
 不思議なことを言う、とでも言いたそうな顔で、セリオルは言った。
「いやいやいやいやいや。どうしても何もあんた」



第61話