そしてその時、徐々に近づいていた足音の主が、ついにその姿を瓦礫の上に現した。
 岩と岩のこすれるような奇怪な声が響く。
坑道を震わせる咆哮。ジェフがびくりとして、振り返ろうと首を伸ばす。
クライヴは苦しそうな顔で、その姿を視界に収めていた。

 それは全身を銀灰色に輝かせ、左右4つずつの不気味な目を真っ赤に染めた、
巨大な蜘蛛のような姿の魔物だった。








第64話