「シスララ、聖の幻獣を呼んでもらえますか?」


「え?」




 セリオルの突然の頼みに、シスララは反射的に彼のほうを向いた。
セリオルは静かな瞳に、ゆらめく求道の炎がごとき光を宿していていた。
シスララは動揺した。思わず下を向く。
「シスララ……?」
 驚いて、セリオルはシスララの顔を覗き込もうとした。



第73話