「落ち着いていきましょう、サリナ。大した敵ではないんです。船を守ることを最優先に考えればいい」
 兄の優しい手が肩に置かれる。
焦燥に駆られていたサリナの心に、平静が戻る。
サハギンに視線を戻し、サリナは頷いた。

「はい!」


第76話