「なんか、ちょっと恥ずかしいな……」
「確かに」

 サリナは少し顔を赤らめた。フェリオは顔色を変えはしなかったが、その胸中はサリナと同じだった。
 浮いている。明らかに、彼らはアクアボルトで浮いていた。

「これは、この街になじむ服装をしないと、ちょっとまずいですね」
「要らない注目を集めるわね、確かに」
「ソレイユは、どこかに隠れていてもらったほうがいいでしょうか」
 懸命に自分を奮い立たせて先頭を歩くセリオルも、
さすがにすれ違う人々のほぼ全員から視線を投げかけられると動きがぎくしゃくする。





「みんな何をそんなに気にしてんだ?」
「さあ。よくわかんね」



第76話