「私たちは、“雷轟”について知りたいんです」
薄桃色の可憐な服を着た少女は、決意を感じさせる真剣な表情で立っていた。
「サリナ……」
傍らのセリオルに頷いて、サリナはシモンを見た。
困惑と懐疑、そして若干の驚きが混じった顔。
セリオルはサリナに任せることにした。
シモンの視線もサリナに向いている。仲間たちを顧みて、セリオルはその判断が正しいと確信した。仲間たちの誰も、不安を感じてはいないようだった。
使命を負ったサリナの言葉には、力がある。皆がそれを知っていた。
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第81話
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