「あの野郎と一緒で、気が短ぇなあ」
 戦士が振り下ろしてきた湾曲した刃の剣をひらりとかわして、カインは高山飛竜の鞭を戦士の足に巻きつけた。
「君もひとのことは言えないでしょう」


「漆黒の闇の深淵、鎖されん――ブライン」
 冷静な声で、彼は暗闇の魔法を発動させた。矢を放とうとしていた戦士たちの視界を、黒い雲が奪う。






「俺ぁ気は短くないぜ。ただ堪え性が無いだけで」
「同じことですよ、カインくん」




第82話