「……じゃあ、言いますよ」
なぜか恥ずかしそうな様子で、セリオルは咳払いをした。
カイン、クロイス、シモンの3人が身を乗り出し、ごくりと生唾を飲み込む。
「……2階に上がる階段は、実はここにあったんだよーん」
しじまが広間を支配した。徹底的に静まり返ったその場所で、雷のマナがパチパチと鳴るのと、
外の雷鳴が響いてくる音だけが存在した。まるで時が止まったようだった。
静寂を破ったのは、フェリオだった。
「よーん、か」
平坦なその声が、限界をもたらした。
<
第85話
>