「おい、ラムウ」
 倒れ、立ち上がろうと杖に寄りかかる雷帝の名を、クロイスが呼ぶ。低く、力強い声だった。

「瑪瑙の座だかなんだか、しらねーけどな」
「うちの兄貴を、よくもやってくれたな」
 激しい怒気に満ちたのは、フェリオの声だった。
彼は銃口をラムウに向けたまま、全身から怒りを放散していた。






第87話