「頼ってくれ。必要な時には」

 仲間たちは新たな装備品で盛り上がっている。
彼らに聞こえないように、フェリオは声を抑えた。
低く響き、しかし彼の声は確実に、セリオルに伝わった。
 一瞬、セリオルは目を閉じた。そしてすぐに開き、彼はほんの僅かに口元を上げた。

「ありがとう」






第92話