「その、あの……む、むかし、クマさんが好きで……」
混乱してそんな弁解をしたが、それはフェリオとシスララを余計に笑わせるという最悪の事態を招いただけだった。
もはや慙愧に耐えない思いで言葉を発することもできず、
サリナはただただ真っ赤に染め上げた顔を、洞窟の青味を帯びた地面に向けるのみだった。
「うふふ。サリナは、ほんとに可愛いわね」
<
第99話
>