第128話

 太くしなやかな腕が、恐るべき速度でサリナへ襲いかかる。荒々しい怒りの咆哮を上げながら、白き竜は鋭い爪を振り下ろした。
「当たらないよ!」
 細かな足取りで、サリナはその攻撃を回避した。十分に視認できる速度だった。彼女の素早さは竜のそれを上回っていた。
 空を切ったのとは逆の腕で、竜はさらに攻撃を重ねた。細身で流線形の身体は空気の抵抗を減少させ、竜は鋭い動きでサリナへ迫る。
 同時に、竜はその太い尾でセリオルたちへの攻撃も仕掛けてきた。詠唱に入ろうとしていたセリオルは、その素早い攻撃を慌てて回避した。詠唱は中断され、マナが霧散する。
「素早いですね……」
 回避はぎりぎりだった。ドノ・フィウメの街で戦った時は、これほど動きが速いとは思わなかった。あの時こちらの攻撃が成功したのは、竜に油断があったからなのか。
 フェリオの弾丸が飛来する。激しい銃声。高純度火薬で威力を増した機関銃の弾丸が、恐るべき速度で竜の翼を狙う。
 だが竜は、その大きな翼を開き、襲い来る弾丸を叩き落した。翼はまるで金属のように硬化している。弾丸は力を失って地面に落ち、ぱらぱらと寂しげな音を立てる。
 その間も、竜はサリナへの攻撃を止めてはいない。背後からの攻撃を、こちらを見もせずに防ぎながらも。サリナはその爪と牙による連続攻撃を、鳳龍棍を使って防御し、あるいは回避をしてしのいでいた。
「くそ、これじゃ手が出せねえじゃねえか!」
 カインは苛立った声を上げる。セリオルとフェリオの行動から、竜はすぐに、こちらの攻撃手段を理解したようだった。サリナと立ち位置をめまぐるしく変えながら――いや、銃や魔法の狙いを定められぬよう、わざと位置が変わるように計算しながら、サリナを攻め立てる。
「花筵の舞・クイックステップ!」
 シスララのマナの舞。細かく素早いステップのリズムが、マナの光を生む。扇の美しい動きが光を増幅する。シスララはステップに合わせて扇を振る。光はシスララを、そして仲間たちを包み込んだ。
「素早さを向上させる舞です。さあ、みなさん!」
「おう、そりゃありがてえ!」
 カインは地を蹴った。サリナと竜の激しい戦いに割り込めずにいたが、確かに自分の動きが速くなっている。身体が軽い。これならサリナと共に、接近戦で竜に攻撃を仕掛けることが出来る。
 そこへ、大きな衝突音が響いた。驚いたカインの視界に、アーネスの姿が入る。
「こういう時は、鎧の重さが邪魔ね」
 再び鎧を纏ったアーネスはブルーティッシュボルトを掲げ、竜の爪を防いでいた。めまぐるしかった竜とサリナの動きが、一瞬止まる。その竜の空いた脇腹へ、サリナの鳳龍棍が叩き込まれた。金色の尾を引いた流星のように、その軌跡は美しかった。
 竜が激痛に悲鳴を上げ、思わず後ずさる。そこへ、カインの青魔法が襲いかかった。
「青魔法の玖・アクアブレス!」
 蒼霜の洞窟でラーニングした水の魔法が、カインの印を結んだ手から放たれる。水のマナの奔流が白きドラゴンに襲いかかり、大きなダメージを与えた。
 竜は悟った。この人間たちの戦闘能力は、自分を超えている。こんな人間がいたのか。竜は生命の極致。計り知れぬ力を持つ、至高の生物。その竜を超える人間たちが、存在していたとは。
「おい」
 その声に、竜はぞくりと身を震わせた。何も感じなかった。鋭敏な聴覚、卓越した直感。その優れた能力を持つ自分が、ほんの一瞬気を逸らせたからといって、気づかぬとは。
「俺たちは話し合いに来たんだ。戦いに来たんじゃねえ」
 クロイスは気配を絶ち、竜の背中に擦り寄っていた。裏技・不意打ち。マナの力で己の気を消し、背後から忍び寄る技。クロイスは攻撃は仕掛けず、竜を脅すことにその技を使った。
「アンリ!」
 彼は親友の名を呼んだ。物陰で息を潜め、戦闘を見守っていたアンリは、クロイスの合図にすぐに反応した。いつでも使えるよう、既に取り出しておいた。
 その魔法の角笛“ドラゴンホルン”を、アンリは口に当てた。心を落ち着かせる。大きく息を吸い込む。胸にもう一方の手を当てる。鼓動が大きい。大丈夫だ、落ち着くんだ。きったやれる。師匠に教わった、魂の製作術。街を挙げてようやく出来た、誇るべき作品だ。大丈夫、大丈夫だ。
 アンリは、息を吹き込んだ。美しい聖なる角笛を、空へ向けて。
「わあ……」
 その美しい音色に、サリナは竜と対峙しながらも、心を弾ませた。なめらかな絹が空を流れたような、心洗われる清らかで美しい音だった。
 まるで世界が変わったようだった。“ドラゴンホルン”の音色は聖なる滝の全域に響き渡った。大気がマナの祝福に満ち、サリナにはそれが、まるで空気の色が変わったように見えた。
「おのれ……忌々しき笛め」
 深い憎しみに囚われた、それは白き竜の声だった。獣の吼え声にも似たその響きに、サリナはぎくりと身を固くした。“ドラゴンホルン”の力。硝子職人の魂が篭った魔法の笛が、怒りに燃える竜の声をサリナたちに届ける。
「や、やった……」
 ほとんど放心状態で、アンリはぽつりと呟いた。“ドラゴンホルン”は効果を現した。師から受け継いだその力が、重要な局面で活きた。そのことに、アンリは心を震わせた。クロイスがこちらを見ている。にやりとして、彼はアンリに向けて親指を立てて見せた。まずい。アンリは狼狽する。今、涙を流すわけにはいかない。
 力を込め、アーネスが蒼穹の盾を押し出した。騎士の紋章が、大いなる守りの力を騎士に与える。光の盾となったブルーティッシュボルトは、驚くべきことに白き竜の巨体を押し返した。
 そこへ、流星となったシスララが降り立った。オベリスクランスは竜を貫きはせず、ただその強力な衝撃波で攻撃した。苦悶の声を上げ、竜は膝を折る。
「あなたの長に、伝えてください」
 長大な槍を竜の眉間に近づけ、シスララは言った。僅かな力で、竜の命を奪うことが出来る。そういう距離だった。憎々しげに牙を剥き、竜はシスララを睨みつける。
「なぜドノ・フィウメを襲うのです。私たちはその理由を伺い、話し合いをするために参りました。ドノ・フィウメに非があるのであれば、改めるよう長老へお伝えします。まずは、お話を聞かせて頂きたいのです」
 シスララの目は厳しかったが、声は静かだった。竜はじっとシスララを睨む。
 だがふと、竜は目を逸らした。その視線はシスララではなく、その肩の上で浮遊するソレイユに向いた。ソレイユは何も反応しなかった。竜は何も言わなかった。ただ低く唸り、白き竜は傷付いた翼を広げた。
 ばさりと、大きな羽ばたきが風を起こす。竜の身が宙に浮く。
「おいてめえ! 何とか言ったらどうだ! 逃げんのか!」
 カインが怒鳴る。だがその言葉がまるで耳に入らぬかのように、竜は何の反応も見せなかった。なおもカインは怒りの声を上げるが、竜には届かない。白き竜は一方的に戦闘から離脱し、聖なる滝のいずこかへと姿を消した。

「ったくよー。何なんだあいつ。わけわかんねーよ」
「うるせーなあ。いつまでもグチグチ言ってんじゃねーよ。ガキか」
「おう。おいコラ誰がガキだてめえ、正真正銘生粋のガキんちょが」
「あああ? んだとてめーもっぺん言ってみやがれ!」
「おうおう何べんでも言ってやらあこのガキんちょのエリート! エリートガキんちょ!」
「何がエリートだこのバカたれ! どんな英才教育受けたらなれんだそのエリートには!」
「なんだおい、興味あるのか? やっぱ憧れるんですね〜」
「ああああ?」
「やめなさい!」
 カインとクロイスの脳天に、アーネスの空気を切り裂く手刀が叩き込まれる。きゅうと鳴いて、ふたりは目を回した。
「あはは……でも、気持ちはわかりますね」
 苦笑をしながら、サリナはそう言った。フェリオは肩をすくめ、セリオルは眼鏡の位置を直した。
 竜は姿を消した。あれだけ空を舞っていた白き竜たちが、全て。せっかく言葉が通じたというのに、幻獣や神晶碑のことを訊くことはおろか、会話をすることすら出来なかった。突然の襲来だったが、同時に大きなチャンスでもあった。
 聖なる滝は竜の棲み処でもあるからか、野生の魔物は多くはなかった。だが竜の番犬代わり、あるいは仕える眷族としてか、蛇や亀、鰐などの爬虫類の魔物は存在した。いずれも聖のマナを宿しており、シスララのシャドウサンバが活躍した。
 大きな“光砂”の滝の両脇に、いくつもの洞窟の入り口が存在していた。洞窟は滝の裏、もしくは外で繋がっており、それはさながら、侵入者を迷わせる迷路のようだった。洞窟内は聖のマナで満ち、光砂と同じように、薄い桃色を帯びた乳白色に染まっていた。
 オパリオスも点在した。だが山道やドノ・フィウメのものよりも、さらに色が濃い。色といっても乳白色だが、これまでに見たものよりも濃度が高く、完全な不透明だった。
「弓技・乱れ撃ち!」
「飛んで、ソレイユ! トリックレイヴ!」
 クロイスの矢とシスララの槍、ソレイユの牙が、空中からこちらを狙っていた翼を持つ大型の蛇を撃墜した。翼蛇はか細い声を上げながら落下したが、地面に落ちる前に獣ノ鎖によって捕縛され、カインの許へ飛んだ。
「ふう……どっちへ行けばいいんだろ」
 鋭い蹴りで大型の鰐を吹き飛ばし、サリナは汗を拭う。聖なる滝は水気を帯びてはいないが、洞窟内は湿気が多いようだった。亀や鰐がいるのだから、どこかに水源があるのだろう。
 魔物を撃退しながら進むものの、一向に奥へ到達している様子が無かった。既に何度かは同じ場所を通っている。
「これはいわゆる、迷子……ですね」
 嘆息とともに、セリオルはそうこぼした。だがそもそも、どこへ進むべきかもわかっていないのだ。この聖なる滝が集局点であることはまず間違いないが、幻獣や神晶碑はどこなのか、それは全くわかっていない。手探りで進むしか無い状況で何の手がかりも無いのは、気を滅入らせる。
 洞窟の内部。足は地についているが、その下はどうやら”光砂”が流れている。その音が聞こえるし、すぐわきには光砂の流れがある。本当に水のように、その膨大な量の魔法の砂は流れている。
「アンリ、何か知らねえか?」
 隣を歩く親友に、クロイスが尋ねる。だがアンリは、力無く首を横に振った。
「何も。俺たちはさっきの場所で、“光砂”を調達してただけだからな。どこに竜たちがいるのかは知らないんだ」
「……竜?」
 不思議そうにそう言ったクロイスに、アンリも同じく不思議そうな顔を向けた。それを見て、クロイスは慌てた。そうだ。アンリからしてみれば、竜たちの居場所を知り、そこへ行って話し合いをするのが第一義であって、それ以外にこの滝へ来た意味は無いのだ。幻獣と神晶碑のことに頭が行っていた。そうだ、まずは竜たちに会わなければ。
「とりあえず進もう。ここで考えてても、何も始まらない」
 号令をかけたのはフェリオだった。彼は構えていた銃を2丁拳銃に戻し、ホルスターへしまった。
「いえ、いい機会です。ここでアンリにも話しておきましょう」
 セリオルはそう言って、アンリを見た。何のことかわからず、アンリはぽかんとしている。
「ああ……ま、そうだな」
 クロイスは頭を掻いた。タイミングを自分が作ってしまった。とはいえ遅かれ早かれ、幻獣の許へ到着すれば話さなければならなかったことだ。自分たちの旅の本当の目的と、この聖なる滝へ何をしに来たのかについて。
 滝の裏の、魔物の姿も無い静かな洞窟で、アンリは親友の口から、信じがたい世界の真実を聞いた。マナ、幻獣、集局点、神晶碑、世界樹。それはまるで、神話世界の再現だった。あるいは統一戦争の再来だった。悪しき人間と闇の幻獣、それに対抗するマナの戦士たち。幻獣たちは戦士に力を与え、共に闘っていると言う。
 突然の告白に、アンリは我が耳を疑った。そして同時に、親友とその仲間だという者たちをも疑った。確かにドノ・フィウメにも、マナの異変が原因と思われる現象が起きている。だが山道に現われたと言うオチューよりも、彼にとってはこの聖なる滝の竜たちのほうが問題だった。世界のマナがどうなっているとか、このままではエリュス・イリアが危機に瀕するだとか、そんなことは遠いどこかの誰か、偉いひとが解決するべきことだった。
 ところが、4年前は自分と同じように、ただの辺境の少年だった親友が、その世界を懸けた戦いに参加していると言う。それも、きわめて重要な役割を担って。
 王都にあるなんとかという研究所の所長がサリナの父で、その人物が部下だった男に幽閉され、事が始まった。そこまでは理解出来た。だがそれをなぜ、自分の手で実行しなければならないのか。強い騎士たちに依頼すべきことだ。優れた武闘家にして白魔導師だとはいえ、一般人が手を出すことではない。
 クロイスもそうだ。仮にその、両親の仇だというゼノアなる男を放置すれば、世界がめちゃくちゃになるのかもしれない。だがそんな危険な男に立ち向かうのが、なぜクロイス本人なのか。王国の騎士団に任せればいいではないか。
 そう考えて、アンリは結論を導き出した。これは、全て茶番だ。茶番であるべきだ。茶番でなければおかしい。せっかく4年ぶりに無事に帰ってきた友だちが、そんな危険なことの手伝いをする必要なんて無い。必然性も無い。だから、全て嘘だ。
「……信じないぞ、俺は」
 話し終えたクロイスから、アンリは目を逸らした。自分の顔を、目を見られたくなかった。
「アンリ……」
 クロイスは親友にかける言葉を見つけられなかった。目の前の友がどんな気持ちでいるのか、それがわかったからだ。
 アンリはクロイスを見なかった。見たくなかった。きっと変な顔をしている。自分の中でぶつかり合うふたつの感情が表れているに違い無いのだ。すなわち信じたくないという感情と、信じなければならないという理性とが。
 クロイスたちの覚悟を、既にアンリは見ていた。ただ研究のために立ち寄った街のために、自らの研究のためという理由もあるにせよ、これだけ死力を尽くして協力するのは妙だ。時間がかかっても王国なり屈強な傭兵団なりに連絡を取り、協力を要請するのが普通だ。
 もちろんクロイスには、自分の故郷のためという理由もある。だがそれは、街の住民たちは皆同じだ。だが誰ひとり、これほどの大きな危険を冒すことなど考えもしない。それが普通だ。
 クロイスたちが、そこらの傭兵団よりも、もしかしたら王国騎士団よりも、強いという自覚があるからかもしれない。だがそうであれば、その強さが異常なのだ。普通の戦士がどれだけ己を鍛えようと、たったの7人しかいないのだ。白き竜の巣に挑むことなど、馬鹿げている。
 長老は何を思って、彼らをこの滝へ遣ったのだろう。話し合いをしてくるという言葉を、真に受けたのだろうか。あるいはクロイスたちの秘める本当の力を、見抜いていたのだろうか。
「アンリ」
 しばらくして、クロイスが自分の名を呼ぶ声が耳に入った。だが、アンリは顔をそちらへ向けはしなかった。そうしていても何も変わらないとは知りつつも、出来なかった。
「わりいな、アンリ」
 謝罪の言葉。思わぬその言葉に、アンリは肩をぴくりと上げた。そして反射的に反応してしまったことに、胸中で舌打ちをした。クロイスの声は続く。
「アンリ、お前が俺たちのことを思ってくれるのは、嬉しいよ」
 カッと顔が熱くなるのを自覚し、同時にアンリは、顔をクロイスへ向けた。怒りの形相。きっと形容しがたいこの感情は、行き場の無い矛盾感は、怒りの形相へと転化されている。どうしようもない渦を巻く心とは別のどこかで、もうひとりの冷静なアンリが、そう分析している。
「でも、俺たちは行く。行かなきゃならない。だってこれは――」
 言葉を切り、クロイスは息を吐いた。そして再び吸い込み、少年は友の顔を見つめた。
「――俺たちにしか、出来ないことだからな」
 それは覚悟を決めた、男の顔だった。一昨日の工房で、アンリ自信が抱いたのと同じ思いだった。故郷のために、なんとしても成し遂げなければならないこと。自分にしか出来ず、また自分がやるべきこと。そのためにアンリは、これまでの人生で最大の仕事を、皆に助けられてではあったが、なんとか成功させた。
「……ああ、わかったよ」
 アンリは観念した。自分がへそを曲げたところで、クロイスたちの意志は変わるまい。そもそも、アンリが怒る筋合いも無いのだ。ただ彼は、親友が危険に立ち向かわなければならないという事実に対して、どうしようもない憤りを感じるのだ。クロイスはそれを受け止め、なお進むという。そうなればアンリに出来ることは、もはやひとつしかない。
 アンリは、“ドラゴンホル”を取り出した。美しい流線形の角笛。聖のマナを宿し、純白に輝く笛。自分とドノ・フィウメの、覚悟の証。
「応援、するよ。俺も。なんでも協力するから、言ってくれ」
「……ああ。ありがとう、アンリ」
 アンリとクロイスは、互いの右手を同時に差し出した。少年たちの固い握手が交わされた、その時だった。
「アンリさん!」
 シスララの鋭い警告。驚いて、アンリは声のしたほうを見た。
 それは自分の真上だった。シスララが、巨大な蛇の魔物に攻撃を仕掛けていた。しかし一瞬早く、蛇はその身を巻きつかせた岩盤の突起から放していた。
 どん、と大きな衝撃があった。ほんの一瞬の浮遊感。全ての動きがゆっくりとして見えた。自分を襲った魔物の醜悪な顔も、それを逃がして苦虫を噛んだようなシスララの表情も、そして自分の名を呼ぶクロイスの声も、全てがゆっくりと感じられた。
「アンリーーーーーーーーーーーー!!!」
 絶叫と共に伸ばされたクロイスの手は、空を切った。自分を心配するあまり、怒りにも似た感情を抱いてくれた、心優しい親友。硝子工芸に青春を懸け、魂を込めて“ドラゴンホルン”の製作を製作させた、故郷思いの少年。その身体は大蛇の体当たりで簡単に吹き飛ばされ、そして“光砂”の流れに呑み込まれて、消えた。