第97話

 長い1日が終わり、サリナたちはダリウの修法塾の修法堂に集まっていた。多くの村人たちやサリナの友人たち、ハヴェルやエルヴィンらも集合し、蒼霜の洞窟攻略のための準備を完了しようとしていた。
「うっめえええ!」
 その出来上がった燻製肉を試食して、カインは激しく首を縦に振った。
「うん。上手く作ったもんじゃのう」
「ちょっと味が濃いけど、温めるにはこれくらいでいいかもしれないわね」
「ちゃんと水分も同時にとれよ。汗で水を出すばかりだと危険だからな」
 ダリウ、エレノア、ローガンの3人もその出来に太鼓判を押した。料理上手なエレノアから見ても、燻製肉は上々の仕上がりだった。
 燻製に適していると言われるだけあって、スモークディアの燻製は美味だった。セリオルが営んでいたという薬品店に、なぜか大量に保管されていた香辛料が良く利いている。適度な辛味で身体が温まる。臭みは無く、旨味が凝縮されている。
「ほんと、美味しいですね。ソレイユも気に入ったみたいです」
 シスララの肩で、ソレイユは喜んで燻製肉を食べた。流石に寒さが応えているのだろう。燻製肉はソレイユにも元気を与えたようだった。
「もっと食っていい?」
「ダメ」
「なんだよう」
 ひと切れを飲み込んで次を催促するカインを、アーネスがピシャリと黙らせる。カインは両膝を抱え、指をくわえていじけ始めた。
「なんであんなに香辛料が?」
 頭を抱えるのを我慢して燻製肉を試食しながら、フェリオはセリオルに訊ねた。セリオルは口の中の肉を飲み込んで眼鏡の位置を直し、答える。
「薬効の高い物を集めていたんです。香辛料は長持ちしますからね。必要な時にいつでも使えるようにと思いまして」
「へえ……」
 どれがセリオルの言う薬効のある香辛料だったのかと、フェリオは齧った燻製肉を見つめる。彼は薬学や生物学に関しての知識はセリオルほど持ってはいない。いずれそういったこともセリオルから学べればと、彼は静かに手の中の肉に視線を落とす。
「セリオルさん、辛いの好きだからだよ」
 そのフェリオに、サリナが小さな声で耳打ちをした。フェリオは驚いてサリナを見た。少し楽しんでいるような様子で、サリナは続けた。
「あのね、ほんとはお家でごはん作る時用のなんだよ」
 セリオルがこちらを見ていないのを確認して、サリナは小さく笑う。
「なんだ、そうか」
 フェリオも苦笑した。素直にそうと言わないところはセリオルらしいが、それをサリナに見抜かれているのも、なんだか彼らしい。その真偽はともかく、フェリオは少し心を暖かくして残りの燻製肉を口に放り込んだ。
「それにしてもクロイス、お手柄でしたね」
 燻製が上手く仕上がったことに満足しつつ、セリオルは急な注文にすぐに答えたクロイスを賞賛した。クロイスは自分で狩ったスモークディアが絶賛を受けたことで、さきほどからむずがゆい思いをしていた。
「ま、まーな!」
 鼻をこすりながら、クロイスは燻製肉を咀嚼した。辛味の利いた肉の旨味が口の中に広がる。
 その燻製肉は、材料になった鹿の名をそのまま取って、スモークディアと呼ばれることになった。セリオル特製の粉末香辛料の効果で、寒い場所でも体温を上昇させる効果がある。
「これがあれば、アダムチークさんが教えてくれた、洞窟までの最短ルートを進むことが出来ます」
 セリオルは仲間たちにそう説明した。サリナの親友のひとり、マリカの父が、セリオルたちに洞窟までの道程を説明した猟師だった。彼はオラヴィという名だった。もちろんサリナやダリウ、エレノアは面識があった。
「確かに、これなら行けるかもしれねえな」
 オラヴィはスモークディアをひと口齧ってそう感想を述べた。そしてこう続けた。
「酒のつまみにもいいな、これ」
「お父さん!」
 娘に叱られて、しかしオラヴィはスモークディアを甚く気に入ったらしく、セリオルに訊ねた。
「なあセリオル、こいつの作り方教えてくれよ」
「ええ、構いませんよ。洞窟から戻ったらお教えします。簡単ですから」
 そう言って微笑むセリオルとは対照的に、マリカはご立腹だった。
「もう! またお酒の話。お母さんに言いつけるよ!」
「なんだよ、そう言うなよ。もしかしたら新しい村の名物になるかもしれねえぜ?」
「そんなこと言っても騙されないからね!」
 随分お冠な様子のマリカを横目で見つつ、ステラがサリナとユリエに小声で話しかける。
「オラヴィさん、またお酒で体調崩したらしいよ」
「えっ」
「あら。また?」
「うん。マリカが怒るのも無理ないよね〜」
 そう言いながら、ステラはマリカとオラヴィのやり取りを楽しんでいるようだった。彼女は昔から厄介ごとを楽しむところがある。そのせいでサリナやユリエも巻き込まれることになるのが常だった。
「ほらほらみんな、こっちも出来上がってるんだ! 試しておくれよ!」
 ユリエの母、シルヴィエが手を叩きながら声を張り上げる。彼女の後ろには、サリナたち用の防寒服をその手に持った村の女たちが並んでいた。
「ハニーテイルさんとこの毛糸で編んだセーターと、ハイナン絹と綿花の上着だよ!」
 そのずらりと並んだ防寒服を見て、サリナたちは固まった。唯一シスララだけは、共にそれを製作したためだろう、にこにこと微笑んで拍手をしている。
「は……派手だな……」
「すげえ……あの刺繍は何かの幻獣か……?」
「セリオルはああいうの好きじゃねーの?」
「い、いえ、そうでも……って、どういう意味ですか」
「……まあでも、雪が降ってもおかしくないし、見つけやすくていいんじゃないですか?」
「魔物たちにも見つかりやすくなるわよ……しかも私の、ちゃんと鎧の下に着るようになってるわね」
 シルヴィエたちに聞こえないようにごく小さな声でそう言葉を交わすサリナたちのそばで、ダリウやステラたちも固まっている。その中で、やはりユリエだけは僅かに口角を上げていた。ずっと静かだったユリエがそのタイミングで笑ったのを見て、カインはなぜか戦慄した。
「セーターの後も手伝っておけば良かった……」
 ステラは後悔を口にした。防寒服の製作は夜のかなり遅い時刻まで続くようだったので、彼女はそちらはユリエたちに任せ、村の皆の食事の準備にかかったのだった。
「深夜のテンション、恐るべし……!」
 いつも淡々として冷静なユリエまでがあの派手なデザインに賛同したのだと思うと、夜中の修法堂でどんなことが起こっていたのかの想像がついた。ステラはがくりとうなだれた。
「戦いの時にも動きやすようにご助言差し上げましたので、ご安心ください」
 仲間たちに向けて、シスララは微笑む。その邪気も悪意も微塵も感じられない笑顔に、サリナたちはただ、やや引きつり気味の笑顔を返すのみだった。

 各自にぴったりのサイズだった防寒服を身に付けて装備を確認し、軽く動いてみて可動性などを試した上で、サリナたちは蒼霜の洞窟へ向けて出発した。ダグには万一、村に魔物が襲来した時の守りを頼んだ。スキンヘッドの大男は寒そうな様子も全く無く、チョコボたちと遊びながらサリナたちに笑顔で手を振った。
 ほとんど村中の人々が見送りに来た。事情を知らぬ男たちが、その防寒服の派手さに笑いを堪えているのが辛かった。あとで村の男と女で喧嘩になりませんようにと祈りながら、サリナは森へ入った。
「まずはこの小川を遡ります。二又に分かれるところへ着いたら東へ折れます」
 セリオルがオラヴィから借り受けた地図に目を落としながら説明した。
「水かさにはくれぐれも注意してください。もしかしたら、またいきなり増すかもしれません」
「大丈夫かな……」
 小川は、もはやそう呼ぶことが適切ではないと思えるほどその水量を増している。これ以上増えたら、それこそ氾濫の懼れもあった。村は丘陵の上にあるので水没することは無かろうが、事故が起こることは予測出来た。
「とっとと行って、原因突き止めようぜ」
 派手な防寒着から出る左手を右の拳で叩いて、カインが意気込む。
「俺たちがちゃんと道を確認していれば、もっと早く出発出来たのにな……」
 そう言って、フェリオは視線を落とした。カインが頭を掻く。
「ううん、大丈夫だよ、フェリオ。ありがとう」
 サリナはフェリオを元気付けようと、明るい声で話すよう努めた。実際、彼女は出発が今日になったことがフェリオとカインのせいだなどとは微塵も思っていなかった。
「他の準備もたくさんあったし。私なんてごはんの時以外、何の役にも立てなかったよ。自分の村なのに……」
 フォローのつもりでの発言だったが、それを口にしたがために、サリナは少し落ち込んでしまった。仲間たちや村の皆にばかり頼って、自分はほとんど何もしていない。その様子に、セリオルとアーネスが目を合わせて苦笑する。
「どっちにしてもオラヴィさんがこのルートを教えてくれなかったら遠回りすることになったんだから、気にしなくていいんじゃない?」
「その通りです。サリナも、決して時間を無為にしていたわけではないのですから、そう落ち込むことはありませんよ。新しい魔法も修得出来たんでしょう?」
 セリオルはダリウからその話を聞いていた。それを言われて、サリナはがばと顔を上げた。
「な、なんで知ってるの!?」
「ダリウさんから聞いたんですよ」
 サリナは赤くして俯いた。秘密にしておきたかったらしい。
「あら、秘密にしておきたかったの?」
 明らかにそれを察している声で、アーネスがやや意地悪に訊ねた。サリナは少しだけ無言だったが、ぽつりと呟いた。
「戦いの時に使って、みんなを驚かせようと思ったのに……」
「なんだそりゃ。ガキかよ」
「う、うるさいなあ」
 呆れたようなクロイスの声に、サリナは反論するものの顔は赤いままである。子どもじみているという自覚はあったのだろう。サリナのそんな様子に、仲間たちが笑い、サリナはますます顔を赤くする。
「はっはっは。それでサリナちゃん、どんな魔法なのだね?」
「今なんで笑ったんだ……?」
 クロイスがフェリオに訊ねるが、フェリオも答えを何も持たず、ただ肩をすくめるのみだった。
「リフレクっていう魔法で……相手の魔法を跳ね返す効果があります」
「なぬ!?」
 大げさではなく驚いて、カインは大きな声を上げた。他の仲間たちも同じような反応だった。それにサリナは慌て、補足をした。
「あの、でもカーバンクルのリバレートほどじゃないんです。ひとりずつにしかかけられないんです」
「なるほど。多数を同時に狙う魔法には対応出来ないということですか」
 セリオルの正確な言葉に、サリナは頷いた。
「でも、強力な魔法を防ぐにはいい手ですね」
 シスララはソレイユにスモークディアを与えながらそう言った。防寒着を着るわけにもいかないソレイユを寒さから守るには、ある程度頻繁にスモークディアを与える必要があった。ソレイユは嬉しそうな声で啼きながら、その燻製肉を食べた。カインがうらやましそうに見ている。
「うん……えへへ。ありがとう」
 カーバンクルの力を持つシスララからそう言われて、サリナは嬉しさに微笑んだ。その後ろでカインが、アーネスにスモークディアのことで叱られている。
 寒さは森を様変わりさせていた。フェイロンの森は、元々森と呼ぶよりも林に近い。それほど木々は密集しておらず、またその幹もさほど太くはないものが多い。その分草花や茂みが多く、歩く時は足元に注意が必要だった。
 しかし今、生命力の弱い下草の類は、そのほとんどが枯れ果てていた。本来の時期ではない寒さの襲来が、森の生命を奪っている。それが悲しく、サリナは速く蒼霜の洞窟へ到達しようと足に力を込める。
「やはり出ましたね」
 セリオルはウィザードロッドを構えた。魔物が出現したのだ。
 それは、まるで水の鎧を纏った鬼のようだった。どこから呼吸しているのかと思える。顔も含め、全身全てを濃度の高い、青い粘液のようなもので覆われている。額から生える角までが覆われており、明らかにマナに異常を来たした魔物だった。氷の棍棒のような凶悪な代物を持った魔物は、咆哮を上げて襲いかかってきた。
「水のマナには雷のマナが有効です!」
 その棍棒の一撃を回避しながら、セリオルは仲間たちに告げた。雷光の森の時と同じように、今回は水のマナを纏った魔物が多数出現すると思われたからだ。それを聞いて、フェリオとクロイスは雷のマナストーンをマナストーンボックスにセットした。
「青魔法の捌・招雷!」
 3本の雷撃が連続で落ちた。それは水の鬼を正確に貫いた。魔物は棍棒を振り上げる間も無く、強力な雷の力に倒れた。
「へっへっへ! 雷光の森でラーニングしたんだぜ!」
 カインが得意げにポーズを決めて発した言葉は、雷光の森で雷の力を操った狼から、その力を身に付けていたということを意味していた。しかしその強力な魔法も、アーネスから脳天に手刀を受ける結果となってしまった。
「いでえっ! なななんで!?」
 被弾した箇所を両手で押さえて、カインは抗議した。アーネスは冷徹な声で、冷徹に答える。
「こんなところでいきなりマナを使わないで。まだまだ先は長いのよ」
「くっ……ふぁい」
 そのもっともな言葉に反論する術を持たず、カインは足元に無い石ころを蹴る仕草をした。唇をとがらせている。
「ちぇっちぇ。俺だって新しい力、見せたかっただけなのによー」
「だからガキかよ、お前らは」
 最年少のクロイスからそう言われて、鳳龍棍をしまったところだったサリナは赤面し、カインは怒った。そしてフェリオは頭を抱えた。
 魔物は頻繁に出現した。マナの異常を来たしたこれまでの場所と、やはり同じだった。水のマナを纏う、あるいは水の力や魔法を操るものが多数現われた。鬼や猿人といったビーストマン族と呼ばれる魔物たちや、よく見かける狼や虎などの猛獣が魔物化したビースト族、そしてマナの力で陸上活動を可能にした肉食魚などの魔物、アクアン族が主なところだった。特にアクアン族は元々水棲の魔物がその力を増しており、強力だった。
「クロイス、水のマナを宿す素材を取っておいてください。また武具が作れるかもしれません」
「わかった」
 クロイスはビーストマン族とビースト族の角や爪、毛皮、そしてアクアン族の甲殻、鰭、鱗などを剥ぎ取った。中でもアクアン族の甲殻や鱗は、剥ぎ取れば魔物の防御力を低下させることが出来た。試練の迷宮で蠍の魔物の甲殻を剥ぎ取った時の要領で、彼は動き回る魔物から器用にその身体の一部を採取した。
 やがて、雪が降り始めた。セリオルが顔をしかめる。
「天候にまで影響し始めましたか……」
「え?」
 シスララが空を見上げる。典型的な雪空。エル・ラーダはあまり雪は降らないが、王都に訪れた時に見たことがあった。
「この寒さは、マナが天候に影響したものではなかったのですか?」
 手のひらに雪の欠片を受けながら、シスララは不思議そうに訊ねた。セリオルはかぶりを振る。顎に人差し指を当て、シスララは小首を傾げる。
「天候というのは、空の高いところで起こる現象です。これまではただ、蒼霜の洞窟から溢れた水のマナが大気の温度に影響していただけでした。それがついに、天候にまで影響を与え始めた……つまり、あの高い空のマナにまで力が及んでいるということです」
「よくわかんねーけど、やばいってことはわかった。急ごうぜ」
 クロイスは悔しそうだった。新たな水の幻獣をと意気込んで乗り込むはずだった水の集局点の異常を、早く収めたい。その気持ちが、彼の心を逸らせる。
「いつ周辺の地域にも影響を与え始めるかわかりません。ここで食い止めますよ」
「はい!」
 頬を叩いて、サリナは気合を入れ直す。故郷の島。ゼノアの非道な行いで、その自然と、そこに住む人々の暮らしを壊させはしない。
 森は徐々にその標高を上げていった。丘陵地帯から続く山。その斜面に広がるのがこの森だ。フェリオによると、蒼霜の洞窟はこの山の頂上に近いあたりに存在するという。
「げ……」
 それを見て、カインは身を仰け反らせた。
「これを越えれば、洞窟はすぐそこです」
「いや……どうやって越えんの?」
 そう言ってカインが指差したのは、切り立った崖だった。オラヴィたちは“崖道”と表現していたが、それはどう見ても道ではなかった。崖である。
「あれが道……かしら」
 アーネスが指差したのは、どうやら先人がこの崖を越えるのに築いた――というよりは勝手に出来上がった、小さな足場のようだった。それが上のほうまで続いている。
「かなり危険だな」
 崖の周辺は風が強い。ここで体温を奪われないようにと、スモークディアを作ったのだ。ひとまず、セリオルはそれを取り出して皆に配った。
「あ、マナ・シンセサイザーで登るための道具が作れませんか?」
 サリナは名案を思いついた、という風に提案した。しかしセリオルは、かぶりを振った。
「私も登山の知識はありません。道具と言っても、どんなものを作ればいいのか」
「そっか……」
 そう言って俯いたサリナの視界が、不意に暗くなった。驚いて、彼女は崖を見上げた。
「わっ!?」
 そこには、サリナたちを獲物と見止めて襲来する巨大な鳥の魔物がいた。それも1羽ではない。何羽もの巨鳥の魔物が、奇怪な咆哮を上げながら飛来したのだ。サリナたちは素早く散開した。
「やれやれ」
 フェリオとが迎撃しようと銃を構えた。しかしそれを、カインが腕を上げて制止した。
「兄さん?」
 抗議したそうな弟のほうは見ずに、カインはにやりと笑う。
「まーたいいタイミングで来るじゃねえか」
 巨鳥は氷の羽根を飛ばしてきた。カインはそれを跳躍して回避し、彼の力を解放する。
「ストリング・マリオネート!」
 カインの手から銀色の糸が伸び、巨鳥の群れに絡みついた。魔物たちは自らの身に起こった異変の正体が掴めず、混乱の声を上げた。しかしそれもすぐに治まる。
「おし、一丁上がり!」
「なるほど、良い手ですね」
 セリオルはカインのアイデアを賞賛した。巨鳥の群れは、大人しく地に降り立った。それぞれの身体に、カインの糸が伸びている。巨鳥は今や、カインの忠実な僕だった。
「カインさん、すごいです!」
「そうね、たまにはやるじゃない」
 そう言うサリナとアーネスに、カインは右手の親指を突き立てて見せる。
「はっはっは。正しく言わねえとだめだぜ。俺ぁ、いつでもすげえ!」
「それはない」
 サリナとシスララ以外の4人が声を揃えてそう言った。カインはしゃがんで、自分の涙に濡れる地面の草をいじった。