第98話

「ひゃひゃひゃひゃひゃひゃ! いけ〜〜〜〜〜!」
 カインは銀色の糸を操り、魔物をマリオネットと化した。巨大な翼を広げ、怪鳥が崖を舞い上がる。烈風がサリナたちを襲い、その極端に冷たい風が体温を奪い尽くそうと牙を剥く。だが彼らには、フェイロンの人々の愛情が篭った防寒着と、セリオル特製のスモークディアの燻製があった。
「うわあああ。顔が寒いようううう」
 強い風圧に目を開けるのも難しく、サリナは怪鳥の背にしがみついてスモークディアを飲み込んだ。香辛料の生む熱が、喉の奥へ進んでいく。それが身体の中心に落ちた感覚と同時に、一気に全身が陽の光に包まれたような暖かさが生まれた。
「すげー! セリオル、すげー!」
 カインと同じ怪鳥の背で、クロイスはスモークディアの効果に感動していた。村で試食した時には、これほどの威力があるとは思わなかった。身体の感じる寒さに応じて、どうやらこの燻製肉はその効力を増すらしい。
「さっきまで肌を刺すようでしたのに……もう全く寒さを感じません」
 寒さのためか、それとも熱を発する身体のためか。シスララはその白い頬を紅でも差したかのように赤くして、傍らのセリオルを見つめた。セリオルはそれに、微笑んで答えた。急ごしらえの対策だったが、彼の知識と技術が役に立ったことに、彼は満足していた。
「あちい! これ脱いでいいか!?」
「ダメ」
「だめかー!」
「あほか!」
「ひゃひゃひゃ!」
 アーネスとクロイスに呆れられながらも、カインは高速で上昇する巨鳥の背で楽しそうだ。確かにこれだけの速度で空を舞うのは快感だった。それは認めながらも、フェリオはやはり頭を抱えそうになる。
「やれやれ……何言ってるんだか」
「あはは。カインさん楽しいなあ」
 そう言って楽しそうに笑うサリナに、フェリオは苦笑する。まあいいか、皆が楽しいなら、それで。
「さあ、そろそろ到着ですよ」
 セリオルは崖の上を見つめ、仲間たちに告げた。目的地は目前だ。
「そういえばカインさん、今回は酔わないね」
 風の峡谷やゼフィール遺跡で同じように宙を舞った時のことを思い出して、サリナがそう言った。その隣で、フェリオが苦笑する。
「しっかり掴まってるからだろうな」
「でも、リンドブルムの上じゃ、手すりとかに掴まっててもふらふらだよ?」
「気持ちの問題も大きいんだろ、きっと。今は楽しんでるから酔うこと忘れてるんだよ」
「え……忘れるものなんだ……」
 サリナはぽかんと口を開けた。冗談を真に受けるサリナに、フェリオは今度は可笑しそうに笑った。なぜ笑われたのかわからず、とりあえずサリナは頬を膨らませて抗議した。
 やがてついに、3体の巨鳥はそこに到達した。断崖が終わり、そこは再び木々の生える森だった。
 すぐに目に入ったのは、水かさを増してのたうつように流れる川だった。荒々しい紺碧のマナが輝いている。強いマナの力が、まるで捌け口を探そうとでもしているかのようだった。
「ひどい……」
 その森の様子に、サリナは暗い声を落とした。
 森は生命力を奪われているように見えた。木々はその葉を落とし、やせ衰えていた。草花は寒さに身を縮め、花弁は色を失ってしおれている。動物の姿は見えなかった。ただ、暴力的な水のマナを受けて凶暴化した魔物の姿は、ちらほらと見えた。
「なんてことだ……」
 フェリオは怒りを隠さなかった。蒼霜の洞窟の入り口は、すぐそこだ。ここから視認出来る距離にある。カインナイトを発見したあの時、この森は美しい緑に満ち、豊かな生命を謳歌していた。それが今や、洞窟から暴れ出るマナによって、その様相は一変してしまっている。
「……早く行こうぜ」
 クロイスは盗賊刀を取り出し、巨鳥の背から飛び降りた。彼の心は荒れていた。
「クロイス、待ちなさい!」
 セリオルの制止も聞かずにクロイスが地に降りると、獲物の匂いを嗅ぎつけた魔物が群がってきた。荒れる水のマナを纏う、凶暴な魔物。それは飛行能力を得た巨大な肉食魚であり、刃物のように鋭利な氷の爪を持つ大蟹だった。クロイスはバタフライエッジに雷のマナストーンをセットし、襲いかかるそれらの魔物を次々に切り裂いた。
「あいつ、やる気まんまんだな」
「ええ。ただ、少し冷静さを失っていますね」
 カインとセリオルは、クロイスを見失わぬように急いで巨鳥から飛び降り、短く言葉を交わして少年の後に続いた。その後にサリナ、フェリオ、アーネス、シスララが続く。魔物は迅速に蹴散らされた。
「クロイスを独りで行かせるわけにはいかない。急ごう」
「うん!」
 フェリオは、その内に燃える怒りを抑制していた。彼にとって聖なる地である、蒼霜の洞窟。そこを荒らすゼノアの魔手に、彼は堪えがたい怒りを抱いているはずだった。しかし彼は、それを表に出しはしなかった。サリナはフェリオのそうした自制に気づき、自分のことのように苦しさを感じた。
 水のマナの暴れる洞窟。サリナたちは、幻獣シヴァの御座であるはずのその洞窟へ、足を踏み入れた。

「クロイス!」
 先頭に立ったフェリオが、先行したクロイスの名を呼んだ。クロイスは複数の魔物に取り囲まれていた。それはまるで、昔話に出てくる雪の精だった。いや、そう呼ぶにはいささか凶悪すぎる雰囲気を漂わせていたが。女性の姿をし、紺碧の肌と衣を持つその魔物は、クロイスに攻撃を仕掛けるタイミングを窺っているようだった。
「天を走る神の怒りの申し子よ――サンダー!」
 そこへ雷撃が飛んだ。セリオルの魔法はクロイスのほうを向いていた魔物に命中し、悲鳴を上げさせた。更に雷のマナを纏ったフェリオの弾丸が飛び、別の1体が地面に倒れ伏した。
「おせえよ!」
 毒づいて、クロイスは雷のマナを纏ったバタフライエッジを大きく振るった。円弧を描くように振るわれた雷の刃は、残る2体の魔物を襲った。しかしそのうちの1体が奇声を上げて跳び退り、彼の攻撃を回避した。そして魔物は、素早く攻撃に転じた。針のように鋭い爪が伸び、クロイスを襲う。クロイスはバタフライエッジを大振りした直後で、反応が遅れた。
「落ち着きなさい」
 しかし眼前に迫った魔物の攻撃を、アーネスが間に入って防いでくれた。蒼穹に輝くブルーティッシュボルトが、魔物の爪を弾き返す。
「焦っても仕方ないわ」
「あ、焦ってなんてねーよ!」
 反射的に、クロイスは反論した。アーネスは魔物から目を離さない。そのままの姿勢で、彼女は言った。
「だったら、冷静な判断でこの魔物の群れに突撃したの? あなたたちは騎士隊の隊長に匹敵する強さと判断力を持ってると思ってたけど……買いかぶりだったかしら」
 アーネスのその静かな声が、クロイスの頭を冷やした。悔しさと情けなさに、クロイスは歯噛みする。彼は胸中で認めた。自分の行動が誤っていたことを。
 素早く、クロイスは弓に矢を番えた。雷のマナを纏わせた、天狼玉の矢。紫紺のマナは矢に馴染み、引き絞られた弦が力強くそれを射出する。矢はアーネスと力比べをしていた魔物を、騎士隊長の背後から飛来して貫いた。魔物はその奇襲に悲鳴をあげ、その場に倒れた。
「そうそう。その調子よ」
「……へん!」
 クロイスのその素直ではない反応に、しかしアーネスは僅かに微笑む。悪ぶっていても素直な少年なのだ。
「クロイス、危ない!」
 セリオルの声が響いた。瞬時に、クロイスとアーネスはその場から跳躍して離れた。その場所に、魔物の鋭い爪が突き立つ。もう1匹、隠れていたらしい。魔物は爪を戻し、クロイスに襲いかかろうと奇声をあげる。
 しかしそこへ、シスララが迫っていた。新たな槍、オベリスクランスを構え、彼女は氷の魔物に突進した。加速した槍の突撃力は、魔物を貫いて倒れさせるには十分だった。
「ありがとう、シスララ」
「いいえ。とんでもないです」
 アーネスの感謝に、シスララはたった今魔物を仕留めたとは思えぬ、柔らかい微笑で答えた。アーネスが小さく苦笑する。
「これは……」
 地に倒れる魔物の亡骸の傍らに屈んで、セリオルはそれを観察した。初めて見る魔物だった。どう見ても、野生の動物が魔物化したものではない。
「カイン、この魔物を見たことはありますか?」
 セリオルは顔を上げて、獣使いにそう訊ねた。しかしカインは首を横に振る。
「いいや。たぶんここで生まれた魔物だろうな」
「やはりそうですか……」
 ゼフィール遺跡、アイゼンベルク鉱山、雷光の森。属性マナの影響を強く受ける場所には、必ずその属性マナによって生まれた、独自の魔物が存在した。これもそうなのだろうと、セリオルは推測する。
「前は、いなかった」
 フェリオの落ち着いた声が聞こえて、セリオルは振り返った。そこには長銃をその手に持つ、灰色の瞳のガンナーがいた。瞳の光に乱れは無く、彼はいつもどおり冷静だった。
「魔物は前から出たけど、弱いのばかりだった。こんなのはいなかった」
「なるほど。やはりマナの異常によって発生した魔物、ということですね」
 セリオルの言葉に、フェリオは頷いた。その言葉の意味するところを、サリナたちは瞬時に理解した。
「強力な水の魔物がいる、ってことね」
 うんざりしたような声で、アーネスがそう言った。誰も答えなかったが、沈黙が肯定していた。
 水の集局点の性質を変え、幻獣が許さなかった強い魔物の発生を起こさせた力。そんなものを持った魔物がいるのか、あるいはマナの異常がそんな魔物を生み出したのか。どちらが先かはわからなかったが、いずれにせよクロフィールのブラッディローズやアイゼンベルクの銀灰の大蜘蛛などのように、このマナに関係する力を持った何かが存在するはずだった。
「……行こうぜ」
 クロイスが声を掛けた。重い空気を引きずりながら、サリナたちは洞窟の奥へと歩みを進める。
 フェリオとカインが仲間たちを先導した。集局点の中心は、恐らくカインナイトを発見した場所から近いと思われたからだ。
 洞窟の入り口近辺には、まだそれほど強い力を持ったマナストーンは見られなかった。フェリオによると、奥へ進み、カインナイトの発見場所あたりが最もマナの濃い場所だということだった。
「けど、ちょっと気になることがあるんだ」
「え?」
 歩きながら顎に手を当てるフェリオの顔を、サリナは見上げた。
「カインナイトを見つけた場所には、この川は流れてなかった」
「あ、そういやそうだな」
 思い出した、という風に、カインは右手で左手を打った。それにアーネスが続ける。
「けど、この川の源泉が、たぶんマナの暴れてる源でしょ?」
「ええ、おそらく」
 セリオルがそれを肯定した。それを受けて、今度はシスララが顎に人差し指を当てながら口を開く。
「ということは、カインナイトの発見場所よりも更に、マナの濃い場所があるということですか?」
「ああ、たぶんな」
 短くそう答えて、しかしフェリオの表情は晴れない。まだ気がかりなことがあるようだった。
「あの、どうしますか? 川を遡るか、カインナイトの場所へ行くか……」
 自分では判断がつかず、サリナが質問した。しかしそれに、すぐに答える者はいなかった。
 だが、沈黙のまましばらく歩いた時、フェリオが再び口を開いた。
「……やっぱりそうだ。兄さん」
「あん?」
 フェリオの声は確信に満ちていた。さきほどまでの考え込んでいる顔ではなかった。彼の中に、どうやら何らかの答えが生まれたようだった。
「この川、確か途中で瓦礫に塞がれて遡れなくなってたよな」
「……あ、そうかも」
 その情報に、一行は足を止めた。それは重要な事実を示すものだった。
「じゃあ、川を遡っても意味ねーな」
 唇を尖らせてそう言ったクロイスの言葉を、しかしアーネスが修正する。
「その前に、この川が塞がってる場所っていうのは、カインナイトのところへ行く途中にあるの? それとも道が枝分かれでもするのかしら」
「後者だ。この奥で、道が分かれる」
 そう言って、フェリオは洞窟の奥を指差した。水のマナで仄かに明るい洞窟。しかし奥のほうまでは見通せない。
「この増水で、瓦礫が崩れているということはありませんか?」
「……なんとも言えないな」
 フェリオはかぶりを振った。シスララが言うとおり、確かにその可能性はあった。だが現状では何も断定出来ない。彼は迷った。分かれ道で、どちらへ進むべきか。時間は限られている。少しでも効率的に、原因を特定しなければならない。
「では分かれ道へ着いたら、二手に別れましょう」
 セリオルの提案に、サリナやクロイスが驚いた声を上げる。だが、フェリオやアーネスはそれに頷いた。
「そうね。そのほうが効率的だわ」
「ああ。分かれ道からカインナイトと川の行き止まりまで、確かどっちも同じくらいの距離だ。ハズレだった方は急いで戻ることにしよう」
「じゃあ、正解だったほうはそのまま進むってことでいいか? じっと待ってることもねえよな」
 フェリオと同じくこの洞窟をよく知っているカインがそう言った。フェリオたちがそれに頷き、行動の方向性が決定した。
 洞窟は奥へ進むに連れて、更にその寒さを増していった。天井からは鍾乳石のような垂れ始めた。川のマナは変わらず荒々しい。アイゼンベルク鉱山と同じように、その壁は徐々に紺碧の、水のマナの色を映し始めた。
 魔物は川の中や、洞窟の天井から襲いかかることもあった。その戦闘の過程で、カインがあの青い鬼のような魔物から、アクアブレスという青魔法をラーニングした。油断した彼が受けた、魔物のブレス攻撃だったが、転じて福と為す結果になった。
「ひゃひゃひゃ。俺、口から水出せるようになっちった!」
 そう言って、カインは笑った。その場で無意味にその魔法を試そうとして、彼はアーネスの手刀に沈んだ。
 だが一方で、カインのマリオネートの技はあまり約には立たなかった。魔物が皆、水の属性を帯びているためだ。操って他の魔物を攻撃させても、あまり効果が無かった。
 また、水のマナの豊富なこの洞窟では、アーネスの風水術が活躍した。水の風水術には、傷を癒す効果のものがある。湧水という名のその術で、一行はサリナのマナを消費することなく、洞窟内のマナだけを使うことで傷を癒すことが出来た。
「こりゃあ、サリナとアーネスはあとで分かれてもらわねえとだな」
 アクアブレスのダメージを湧水で癒してもらったカインが言った。正論だった。二手に別れるからには、回復の術を持つ者がどちらにも必要だった。セリオルの薬もあるが、それよりもサリナやアーネスの術のほうが効果が大きい。
 洞窟内で行く手を阻むのは、厄介な魔物たちだった。雷光の館のような仕掛けは無いが、勢いを増すマナの後押しで力を付けた魔物たちが、紺碧の力で様々な攻撃を仕掛けてきた。
「花天の舞・オーラジグ!」
「魔の理。力の翼。練金の釜! マイティガード!」
 シスララの舞とセリオルの調合で、サリナたちは攻撃力や防御力を高めて戦った。何があるかわからないこの先のために、少しでも素早い戦闘終了を、彼らは目指した。
 水の魔物たちは様々な攻撃を仕掛けてきた。
 怪魚はその口から、圧力を極端に高めた水を噴出した。また巨大な貝が変質したような魔物は、無数の氷の粒を空中に発射し、マナの力でそれを棘状に変形させて放った。立って歩く凶悪なクラゲの魔物は、体内で発光して熱を発生させ、水のマナを高温の水蒸気状にして放出した。
「水って、色んな使い方があんだな」
 クラゲを雷の矢で撃ち抜いて、クロイスはそうこぼした。彼はこれまでの、アシミレイト時の自分の戦いを顧みた。貫く、凍らせる、眠らせる。それ以外にもまだまだ、水のマナの使い方は考えられそうだ。
「敵から学ぶのも大切よね」
 そう言ってくれたのは、アーネスだった。彼女は驚いて自分を見上げる少年に、唇の端を上げてみせた。
「……そーだな。まだまだ、俺は強くなれる」
「ふふ。その意気よ」
 そう言って、アーネスは陸蟹の関節を斬り飛ばした。蟹は奇怪な悲鳴を上げて、川の中へ逃げ込んだ。
 やがて、サリナたちは例の分かれ道の地点へ到着した。川は向かって右から流れてきている。左の道は右よりも狭く、しかしサリナは左の道からのほうが、より強いマナを感じた。
「さて、どう分かれる?」
 カインは腕組みをしている。なぜか少し楽しそうだ。少数で進むことの危険性を、彼はむしろ歓迎しているようだった。
「俺はこっちへ行くよ」
 そう言って、フェリオは左の道のほうに立った。それについては、全員が当然そうだろうと考えた。
「では、私はこっちへ」
 セリオルは右の道に立った。ツインブレインズが二手に分かれるのも、その先のことを考えると妥当と言えた。
「んじゃ、俺もこっちかな」
 続いてカインは、右の道を選択した。これには驚く者と納得する者が半々というところだった。
「カインさん、カインナイトのところへ行かなくていいんですか?」
 サリナのその質問に、カインは笑って答える。
「あそこには、今度ゆっくり行くんだ。王都から正式な調査隊が派遣される時にな。その時まで取っとく。それにこっちの道、俺なら案内できるぜ」
 そう言って、カインは右手の親指を突き立てて片目を瞑る。その様に、サリナは微笑んだ。カインの言葉はいつも前を向いている。王都の調査隊が派遣されることは、ゼノアを止めない限りはありえないのだ。
「とか言って一本道でも迷うんじゃねーの、お前」
「なにおう!?」
 クロイスの茶々にカインは半分怒り、半分は笑っているようだった。
 その後、サリナとシスララが左、アーネスが右を選んだ。こうして左がサリナ、フェリオ、シスララ、右がセリオル、カイン、アーネスということになった。
 そして最後まで迷って、クロイスが決断した。
「俺は、右に行く。そっちのほうがシヴァの居場所に行けそうな気がする」
「ええ、それが正解でしょう」
 川の源泉が、集局点の中心である。セリオルのその考えに、変わりは無かった。だとすれば、戦力的にも右の道に傾けるのが正道だろう。
「じゃあ、行こうか」
 二手に別れた仲間たちにフェリオがそう声を掛けた。仲間たちは大きく頷き、それぞれの選んだ道へと足を踏み出した。