ヴァルファーレは力を止めた。風が治まった。
「……なるほど」
風に乱れた髪を直しながら、セリオルは吐息とともに呟いた。盲点だった。
「幻獣の力を使うとなると、それはこうなりますよね」

◇
「生きていくのに必死だったからな――あやつることより、獣ノ箱で使役することに目が行ってた。
あやつりもちっとは出来るけど、あんまり精度が高くねえ。
そのせいで青魔法の修得が遅くなっちまった。
もっとバリエーションを増やさねえと、こっから先の戦いで足、引っ張っちまう」
チョコボには興味を示さない魔物たちが、
地に降り立った人間の匂いに過敏に反応してこちらへ近づいてきていた。

◇
クロイスもテーブルに近づき、マナストーンをひとつ摘み上げる。
「こいつを弾丸と矢尻に加工……だよな」
指の間で部屋の明かりを反射し、きらきらと光の粒を散らすマナストーンを、クロイスは難しい顔で見つめた。
「削って薬莢に詰め込んだり、矢尻の形にするだけじゃだめなのか?」
「だめだな」

◇
「国王様のお言葉……やっぱりこれが関係しているのかしら」
リストレインに触れる。琥珀色の金属は柔らかな光を放った。差し込む斜陽に、その光は上手く紛れた。

第36話