1.2.マナ
自然の生命や魔法の源となるエネルギー。魔法とはマナを操り、一定の法則のもとで性質を与え、変質させたものである。エネルギーそのものであるマナと、炎や風などの属性を帯びるマナが存在し、後者は特に属性マナと呼ばれる。
■集局点
エリュス・イリアにおける幻獣の住処と呼ばれる場所。各属性マナが局所的に高まり、濃度を増している。多くの場合、そのマナが自然環境にも影響を及ぼしている。
■マナストーン
マナを内包した魔法の鉱石。一定の衝撃を加えて、内部のマナを活性化させないと効果が無い。マナの力を使った様々な道具に使用されるが、産出される数が少なく加工も難しいため、一般には普及していない。統一戦争時代に多く採掘され、その技術が進歩したが、主に兵器向けへの開発だったため日用品としての進化は少なかった。
マナストーンボックス
武器にマナを纏わせるための道具。マナストーンは同時に3つまでセット可能で、一度セットしたマナストーンはマナを放出し尽くしてしまうまでは武器にマナを送り続ける。3種のマナストーンは別々の属性でも同じ属性でも構わない。
1.3.幻獣
エリュス・イリアで守護神として崇められる光を纏う獣。世界を構成するエネルギー源、マナの化身。炎、水、風、地、雷、力、聖、闇の8種が存在する。人間に姿を見せるのは稀。見た者は幸福を得られると伝えられている。
幻獣は3段階の“座”に区別される。第3位が“碧玉の座”、第2位が“瑪瑙の座”、そして第1位が“玉髄の座”と呼ばれる。
■幻獣神教
エリュス・イリアに広く浸透している幻獣信仰。幻獣を守護神として崇め、奉る。各地の村や街の多くには、それぞれの恵みに感謝する幻獣の像などがある。王都の大神殿が総本山である。教会など、信仰のための施設はほとんど存在しない。人々が日常的に幻獣に祈り、感謝すること自体を指す。そのため、経典などは無い。
1.4.クリスタル
マナの力の結晶体である宝石状の物質。代表的なものは神晶碑や幻獣がリストレインにおさまる時の球状のものなど。
■神晶碑
エリュス・イリアのマナバランスを司るクリスタルの碑。瑪瑙の座の集局点に存在する。本来はモーグリやエルフたちのようなマナの精霊たちの力が無ければ封印を解いて実体化したものを見ることはできない。創世記に、人間界のマナを保つためにフェニックスによって生み出された。現在では世界樹を守るための封印の役割もエルフによって付与されている。
マナ・シンセサイザー
合成に使う合成器。3つまでクリスタルをセットして合成を行う。通称「釜」。マナによる操作で魔物素材を加工し、武具を造り上げる。分解可能。覗き穴付きのずん胴と操作機で構成される。
1.5.世界樹
マナを生み出し、植物、鉱物、動物、空、海、森等の自然環境を守る、太古から存在する大樹。幻獣界と人間界に渡って存在するとされている。
1.6.リバレーター
幻獣を使役する者。リストレインというアイテムを身に付け、その機能で幻獣の力を呼び出す。幻獣の力を操るリバレーターは人智を超えた力を手に入れる。
1.7.リストレイン

リバレーターと幻獣をつなぐ楔。本来は不定形の液状物質で、属性ごとの色を帯びる。
リバレーターが幻獣の力を呼び出す時、その力を宿してリバレーターを守る鎧となる。
1.8.統一戦争
およそ400年前、マナを占有しようとしたヴァルドー皇国皇王パスゲア・フォン・ヴァルドーが領土拡大のために隣国に攻め込んだのがきっかけで始まった世界大戦。優れた軍事力で突き進むヴァルドーを止めたのは、幻獣に認められたイリアス王国国王、ウィルム・フォン・イリアスだった。
彼は自ら戦線に赴き、6人の将軍とともにアシミレイトの力で戦争を終結させた。その後リストレインは王国によって保管される。しかし200年前の内乱で一部貴族の離反や自治区の確立があり、大半のリストレインは行方不明になってしまった。
1.9.内乱
およそ200年前、イリアスの圧政に反発した各部族が一部の貴族に取り入って起こした反乱。その結果イリアス国内にいくつかの自治区が生まれた。しかしその後も自治区の統治者たちは王国に完全なる恭順の意は示さず、自治区と王国の境で小競り合いが発生することもしばしばあった。
1.10.幻獣研究所
王都イリアスの学究街区に存在する国立の研究機関。幻獣とマナの研究をしている。統一戦争時代のアシミレイト技術の秘密を解明するのが使命。その過程でマナ科学や世界樹のことなど、様々な事実を発見した。エルンストが所長を務める。
1.11.大枯渇
物語開始時から約半年ほど前、セルジューク群島大陸の北東に浮かぶマキナ島で発生した局地的で大規模なマナの枯渇現象。森が一夜で砂漠と化した。本来は100年単位で発生する大天災だが、この時の大枯渇は30年ぶりだった。
1.12.地名
■ハイナン島
セルジューク群島大陸の南東に位置する島。永く大陸と交流が無かったため、独自の中華風文化が根付いている。気候は温暖で、四季がある。主な産業は農業と漁業。近年は大陸からの観光客も増え、フェイロン村では土産物用に木彫りの人形やハイナン服と呼ばれる絹製の衣類が盛んに生産されている。
――村・街- フェイロン
- ハイナン島東部に存在する村。緩やかな丘陵地帯に発展した集落で、農業と山河の恵みを得ることで主な生計を立てている。田畑と牧場、村を流れる小川が牧歌的な光景を形作り、そうしたのどかな風景が観光客によくうけている。サリナとセリオルが暮らす村で、物語の始まりの場所。
- ユンラン
- ハイナン島西部に存在する村。海沿いの漁村。港は漁師たちの活気溢れる声で賑やかである。村の中心部には切り立った岩山が腰を据え、その上部には幻獣リヴァイアサンを祀る祭壇がある。
温泉も名物のひとつで、岩山から湧き出す豊かな湯を、麓の宿などで楽しむことができる。
サリナたちが宿泊したのは“海原の鯨亭”。
――ダンジョンなど
- 野盗の砦
- 最近大陸からハイナンに渡ってきたらしい野盗たちのアジト。森の中に砦を建設し、そこを根城にしている。最上階は頭領の部屋になっており、手に入れた金目の物の多くはそこに保管している。
- 蒼霜の洞窟
- フェリオが、蒸気機関の排熱装置に有効な特殊な鉱石を発見した洞窟。
■セルジューク群島大陸
世界地図の南東部に存在する大陸。ヴェルニッツ大河によって3つの陸地に分断され、かつてはそれぞれが大きな島と認識されていたため、群島大陸と呼ばれている。王都イリアスが存在し、統一国家イリアスの中枢機能を担う大陸である。
――村・街
- ロックウェル
- 工業の街と呼ばれ、世界で最も機械工業の発達した街である。スピンフォワード兄弟が暮らす。街中にベルトコンベアが張り巡らされ、技術者たちの工房を繋いで彼らの連携の助けとしている。シドの工房もこの街に存在する。
- リプトバーグ
- 穀倉の街と呼ばれる、農業の盛んな街。統一戦争時代の遺物である高い壁が街路を区画しているため、慣れない者は迷子になることが多い。年に一度、収穫祭と呼ばれる豊作を祈願する大々的な祭りが開催される。
サリナたちが宿泊したのは“豊穣の麦穂亭”。
- イリアス
- 王都。統一国家イリアスの名を冠する首都であり、世界の中心。王家の住む王城のほか、幻獣を祀る大神殿や政治を司る各省庁、王立の研究機関、学校等の教育機関など、王国の様々な機能の中心。人口は100万人程度。リプトバーグの数倍の規模の城下町がある。
城下町は王城を中心として帯状に広がる省庁街区にはじまり、北西、北東、南東、南西の4街区に分けられる。各街区を区分する、王城を中心として東西と南北に走る4本の大通りがあり、北を金獅子通り、東を蒼龍通り、南を銀狼通り、西を紅虎通りと呼ぶ。
- 北西の街区=貴族街区。貴族や騎士たちの住居と大神殿がある。
- 北東=学究街区。教育機関のほか、研究施設も並ぶ。幻獣研究所もここにある。
- 南東=庶民街区。一般庶民の住むエリア。
- 南西=商業街区。商店や宿などが並ぶ。
サリナたちが宿泊したのは“騎士の剣亭”。
- クロフィール
- 森林の街。王都イリアスの北にある森の中の街。静かで自然の多い、美しい街で、他の街との交流は少ないが住人は閉鎖的ではなく、皆親切である。木漏れ日と葉鳴りの音の中での暮らしに憧れ、都会から引っ越してくる者もいる。
サリナたちが宿泊したのは“大樹の木漏れ日亭”。
- アーヴル
- マキナ島へ向かう船を出す港。崖上の小さな小さな村でもある。船は断崖下に就けており、その海の恵みも村を潤している。
- イリアス港
- セルジューク群島大陸から他の大陸や島へ向かう船の発着する港。街と呼んでも差し支えないくらいの規模の人口を誇る。
- アイゼンベルク
- 鉱床の村。クロフィールの北東、山肌に沿うようにひっそりと広がる。山の自然と豊かな鉱物資源を主産業とするが、これまで主力だった鉄と銅の産出量が落ち、村は転換期を迎えている。カインとフェリオの故郷。ルーカスの兄家族が暮らしている。
――ダンジョンなど
- 風の峡谷
-
風の集局点のひとつ。幻獣ヴァルファーレの住処。常の風の吹く谷で、飛空艇の推進力に使われる風鳴石が採掘される。その特異な環境に適応した、様々な不思議な生物が生息している。
- セルジューク地下洞穴
- ヴェルニッツ大河の下に広がる洞穴。かつては大河を渡るための交通手段として利用されたが、現在では大河に橋が架けられたため利用者も無く、魔物の巣窟と化している。
- 試練の迷宮
- 王都イリアス、王城の地下に広がる魔法の迷宮。挑む者にいくつもの試練を課し、その力と心を試す。巨大な地下空間に縦横無尽に石造りの階段が張り巡らされ、石の壁で区切られた無数の部屋が存在する。内部では幻獣の力を借りることが禁じられる。
- アイゼンベルク鉱山
- アイゼンベルクの村から続く鉱山。大陸随一の鉄と銅の産出量を誇ったが、現在はそれらの鉱床が枯れつつある。内部にはトロッコやそのレールが走る。
■マキナ島
セルジューク群島大陸の東に存在する、南北に長い島。物語開始の半年前、大枯渇に見舞われている。温暖な観光地で、海とジャングルの恵みが豊富。大枯渇以前は、島全体が大陸の貴族や騎士たちのリゾート地だった。
――村・街
- マキナ
- 勧業の街。島のジャングルを切り拓いて建設された街で、初めからリゾート地として開発された。街の中を川が流れ、鮮やかな花々とあいまって美しい景観を生み出している。
サリナたちが宿泊したのは“雨林の夕立亭”。
――ダンジョンなど
- ゼフィール遺跡
- かつてマキナ島に栄えた風の王国の王城。その詳細は明らかになっていないが、かなり高度なマナ文明を持っていた。遺跡は大枯渇によって発生した砂漠の中心に存在している。石造りの巨大な城で、かつては常に風の吹く、風の集局点だった。
- 水晶の泉
- 水の集局点で、オーロラの住処。水面はガラスの結晶が散りばめられたように光を反射して輝き、この世のものとは思えぬほどの美しい景観を見せている。マキナ島の北部の森の中に存在し、その水はマナの恵みを豊富に含む、聖なる水である。
■ファーティマ大陸
世界地図の北西部に存在する大陸。ユーフラテス大河によって3つの地域に分けられ、それぞれエル・ラーダ自治区、ドノ・フィウメ自治区、ナッシュラーグ自治区として自治を確立している。
エル・ラーダ自治区
かつては小規模な集落の集まりでしかなかったが、現在のブルムフローラ伯爵によって飛躍的に発展した自治区。その勢力は拡大の一途を辿っている。温暖な気候で果物が特産品だが、マナバランスの崩壊以降はその収穫高が下がり、経済的な打撃を受けている。エスニックな雰囲気の自治区。
――村・街
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エル・ラーダ港
- エル・ラーダ自治区の海の玄関。それほど大きな港ではないが、温暖な海特有の幸を揚げる漁港でもある。
- エル・ラーダ
- 花天の街。エル・ラーダ自治区の首都であり、領主ブルムフローラ伯爵が住まう“沙羅の宮”と呼ばれる宮殿が存在する。沙羅の宮は沙羅の花のように白く美しい宮殿で、玉ねぎ型の屋根が特徴的。街には果樹とその花が溢れ、全体が華やかな香りに包まれている。
サリナたちが宿泊したのは“瑞花(ずいか)の果実亭”。
――ダンジョンなど
- 聖獣の森
- 聖の集局点で、純白の森。植物、土、生物、全てが白に包まれている。暖かい森だが、一見すると雪に覆われているように錯覚する。幻獣カーバンクルの住処で、ブルムフローラ家は代々この森で祈りと舞いを奉納し、カーバンクルの守護を得ている。
■アイユーヴ諸島
世界地図の南西に位置する諸島。アイユーヴ本島と、アクアボルト島をはじめとする島々で形成される。古来よりの自然・幻獣崇拝と、高級な娯楽とが共存する地域である。
アクアボルト自治区
アイユーヴ諸島をその領域とする自治区。経済的に大変豊かな自治区で、その経済力は専ら首都アクアボルトの、カジノを中心とする貴族や騎士、豪商たちをターゲットにした高級娯楽施設の収益による。しかし栄えるのは首都ばかりで、領域の大半を占めるアイユーヴ本島やその他の島に住む民たちは、自然の中で昔ながらの狩猟を中心とした暮らしを送っている。
――村・街
- アクアボルト
- 享楽の街。アクアボルト自治区の首都で、王都にも負けぬ洗練された街。カジノやチョコボレース場など、金持ち向けの豪華な娯楽施設が並ぶ。かつての領主が経済的な発展を目指して進めた政策だったが、それがかつての幻獣への信仰や自然への感謝を忘れさせた。
- フォグクラウド
- 雲霧の村。アイユーヴ島の雷光の森に存在し、アクアボルト自治区の民、ユーヴ族が昔から住む村。諸島に存在するユーヴ族の村の中で最大規模であり、本来の族長である領主を差し置いて、現在ではこの村の長老がユーヴ族の実質的な長であると認識されている。
サリナたちが宿泊したのは“雲霞の鳴神亭”。
――ダンジョンなど
- 雷光の森
- アイユーヴ本島に広がる迷いの森。上空は常に雷雲に覆われている。森の各地に、アイユーヴの民の集落が点在する。出現する魔物は雷の属性を帯びたものが多く、プリンなどのアルカナ族も存在する。
- 雷帝の館
- 太古から存在する巨大な洋館。雷の力の集まる魔法の館で、雷の集局点であり、幻獣ラムウの住処。内部はどれだけ激しい戦闘をしても壊れない調度品がしつらえられている。雷の力を使った仕掛けや魔物、機械兵器などが存在する。
■その他の地名
- セルジューク群島大陸インフェリア州
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セルジューク群島大陸の西部。ロックウェルや風の峡谷などが存在する。
- セルジューク群島大陸セレスティア州
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セルジューク群島大陸の南部。リプトバーグなどが存在する。
- セルジューク群島大陸スペリオル州
- セルジューク群島大陸の東部。王都イリアスやアイゼンベルクなどが存在する。
- ヴェルニッツ大河
-
セルジューク群島大陸を3分割する大河。水源からすぐに三又に分かれるが、統一してヴェルニッツ大河と呼ばれる。北、南西、南東それぞれを北ヴェルニッツ、西ヴェルニッツ、東ヴェルニッツという。
- カルデロン大橋
-
西ヴェルニッツに架かる橋。セルジューク群島大陸のインフェリア州とセレスティア州を繋ぐ。
- エインズワース大橋
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東ヴェルニッツに架かる橋。森の先にある橋。森の手前には宿泊所もあり、旅人たちの休憩所となっている。
- 閑掻の海(しずがきのうみ)
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アッバース、マムルーク両島の南の海。穏やかで波が低い。
- 早掻の海(はやがきのうみ)
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アッバース、マムルークの北の海。波が荒く、海難事故が多い。
- 外海
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文明圏の外の海。未開の海で、船が航海に出ることは無い。
- アクアボルト島
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アクアボルト自治区の首都、アクアボルトが存在する島。アイユーヴ島の入り江の中に浮かぶ小さな島。
- アイユーヴ島
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アイユーヴ諸島最大の島。フォグクラウドや雷帝の館などが存在する。上空は雷雲に覆われ、常に稲妻が走り、雷鳴が轟く。
- ユーフラテス大河
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ファーティマ大陸に流れる大河。エル・ラーダ、ドノ・フィウメ、ナッシュラーグの3自治区を分ける境界線になっている。
1.13. 蒸気機関
蒸気の力で動く機械のこと。主に動力として使われる。統一戦争時代のようにマナを日常的に扱う便利な技術が失われた現在では、蒸気機関がそれに代わる力として注目されている。フェリオは一人前の蒸気機関技師を目指している。